「プリント基板」と似ている言葉で「プリント配線板」があります。「プリント配線板」はJISなどの規格で定められた名称ですが、実務や一般的には「プリント基板」が広く使用されています。
プリント基板の主な役割は、電子部品を電気的に接続することです。プリント基板上のパターンによって複雑な回路を小型化・高密度化できます。また、部品の固定や保護、組み立て作業の効率化、製品の量産性向上にも貢献しています。プリント基板は、家電や通信機器、自動車など幅広い分野で使われており、電子機器にとっては必要不可欠です。OKIサーキットテクノロジーの製品は、主に宇宙・防衛、半導体検査装置、社会インフラ等の産業用途で使用されます。
プリント基板の材料は、基板の性能を左右する重要な要素です。プリント基板の主材料である銅張積層板(CCL:Copper Clad Laminate)は樹脂を含浸させたガラスクロスなど(絶縁体)と銅箔(導体)で構成されたものが一般的で、耐熱性や絶縁性、機械的強度に優れています。導体部分には高い導電性を持つ銅箔が使われ、基板材料の表面に貼り付けられています。また、高周波特性が求められる場合は、PTFEなどの特殊材料が用いられます。用途や必要な性能に応じて最適な材料を選ぶことが、信頼性の高いプリント基板の製造には欠かせません。OKIサーキットテクノロジーでは、20種類以上の材料を取り扱っており、お客様のご要望・用途に応じて材料を選定しています。
プリント基板の内層工程は、多層基板の製造において重要なプロセスです。まず、設計データに基づいて基板材料へフォトレジストを塗布します。次に、露光・現像によってパターンを形成し、エッチングにより不要な銅箔を除去します。これにより、内層回路が完成します。その後、複数の内層基板を積層し、加熱・加圧によって一体化させます。内層工程は、回路の精度や信頼性に直結するため、クリーンな環境と高い技術力が求められます。高密度化や多機能化が進む現代の電子機器において、内層工程の品質管理は非常に重要です。

プリント基板の外層工程は、電子部品の実装や回路の信頼性に直結する重要なプロセスです。まず、積層された基板に穴明けをしてスルーホールを形成し、そこに銅メッキ処理を行うことで、内層と外層の電気的接続を確保します。次に、表面にフォトレジストを塗布して設計通りのパターンを露光・現像します。その後、エッチングで不要な銅箔を除去し、外層回路を形成します。さらに、ソルダーレジストやシルク印刷などの表面処理を施し、部品実装の準備が整います。外層工程は、基板の品質や耐久性、最終製品の性能に大きく影響するため、精密な管理と高い技術力が求められます。

プリント基板の検査工程は、製品の品質と信頼性を確保するために欠かせない重要なプロセスです。プリント基板の検査工程には中間検査と最終検査があります。中間検査では、自動光学検査機(AOI)を使用したパターンの検査を行います。最終検査では、フライングテスターを使用して導通を検査する電気テストと人の目や自動外観検査機で基板表面の傷や異物、パターンの欠損などをチェックする最終外観検査を行っています。OKIサーキットテクノロジーではこれを全数検査することにより、不具合品の流出を防止しています。

貫通スルーホール基板には、片面基板、両面基板、多層基板といった種類があります。片面基板は単層基板、1層基板とも呼ばれ、基板の片側のみにパターンを形成した最もシンプルな構造のプリント基板です。両面基板(2層基板)は基板の表裏2面にパターンを形成したプリント基板で、片面では配線が収まらない場合に選ばれます。これらは単純な構造のため低コストで大量生産に適しています。
一方、多層基板は、複数の配線層を積層し、層間を貫通するスルーホールで電気的に接続するプリント基板です。多層構造により、高度な電子設計や高密度な配線が可能となります。多層貫通スルーホール基板は、信号の伝送効率やノイズ対策にも優れており、パソコンやスマートフォン、通信機器、自動車の電子制御ユニットなど幅広い分野で利用されています。プリント基板の中でも最も基本となる構造である貫通スルーホール基板を安定して製造できることが、より複雑なプリント基板の品質と信頼性を支える重要な基盤となります。
ビルドアップ基板は、高密度実装が求められる電子機器に最適な多層プリント基板の一種です。従来の多層貫通スルーホール基板と異なり、一度積層した基板に再度材料を積み上げていく構造をしています。積層工程を何度も行い、レーザー加工などをすることにより微細なビアホールを形成して層間を接続します。これにより、配線幅や穴径を極小化でき、回路の高密度化や小型化が可能となるため、スマートフォンやタブレット、ウェアラブル端末など、最先端の電子機器に多く採用されています。積層工程を何度も行う構造のため、内層と積み上げる層とのズレがないように製造することが重要です。高い技術力と精密な製造工程が求められるビルドアップ基板は、電子機器の進化を支える重要な基盤技術です。

フレックスリジッド基板は、フレキシブル基板とリジッド基板を一体化させた複合型のプリント基板です。フレキシブル部分は曲げやすく、リジッド部分は強度と安定性に優れているため、複雑な立体配線や省スペース設計が可能です。これにより、電子機器内部の配線自由度が高まり、部品点数や組み立て工数の削減にもつながります。フレックスリジッド基板は、スマートフォンやデジタルカメラ、医療機器、車載機器など、軽量化や小型化、高信頼性が求められる分野で広く利用されています。また、耐久性や信頼性にも優れており、可動部の多い機器や高い設計自由度が必要な製品に最適です。フレキシブル基板の材料は伸縮性の大きさや屈曲性により、製造課題が多いです。寸法精度に関わる伸縮の制御や、物理的故障に対する丁寧な取り扱いが品質に直結します。

超高多層プリント基板は、複数の配線層を積層した高密度・高機能なプリント基板で、主に半導体検査装置に利用されています。OKIサーキットテクノロジーでは、極薄材料の開発や、極薄材料に対応した治工具とハンドリング技術、独自の極薄材料自動搬送装置の開発とライン導入を行うことで、板厚7.6mm・124層プリント基板製造技術の開発に成功しました。
また、高板厚プリント基板への取り組みとして、板厚15mmまで対応可能な超高板厚プリント基板製造技術と、複数の多層基板を積層接続する導電ペースト基板間ビア接続(シンタリングペースト接続)技術を開発しました。これらの技術を組み合わせることで、60層プリント基板を3枚接続した板厚15mm・180層を実現する独自のプリント基板設計・生産技術を確立しました。


宇宙用プリント基板は、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の仕様書「JAXA-QTS-2140」に基づき認定された信頼性の高いプリント基板です。OKIサーキットテクノロジーは付則A~Hまで7種類すべての認定を取得した国内唯一のメーカーであり、ファインピッチ、フレキシブル、フレックスリジッド、低熱膨張率、エリアアレイパッケージ設計対応、高速信号対応など多様な宇宙用途に対応可能です。また、アートワーク設計~実装までワンストップで各種プリント基板の提供が可能です。これらの基板は、厳しい宇宙環境下でも安定した性能と耐久性を発揮できるため、H3ロケットやだいち4号などの衛星に採用されています。

高速・高周波対応プリント基板は、通信インフラや半導体検査装置などのハイエンド機器に幅広く利用されています。OKIサーキットテクノロジーでは、低損失材料や表皮効果の影響を低減する表面処理の採用に加え、ビルドアップ構造やバックドリル加工などを駆使し、100Gbps以上の高速伝送に対応したプリント基板を実現しています。さらに、高速伝送を実現する高消費電力チップの大電流に対応する厚銅層を組み合わせたカスタム構造も可能です。これらの要求に対しては、プリント基板のシミュレーション・設計・製造技術を一貫して提供する体制を整えています。これらの技術は、実測と高い相関を持つ高精度シミュレーションに裏付けられており、高信頼性・高性能な電子機器の開発を支えています。

高放熱プリント基板は、発熱部品の熱を効率的に逃がすための技術が求められています。OKIサーキットテクノロジーでは、厚銅箔基板、メタルコア基板、メタルベース基板、プリント基板内部にコイン形状の銅の放熱板を埋め込む銅コイン基板などにより高放熱性を実現しています。各放熱構造の特徴は以下になります。
これにより、熱による性能低下や故障を防ぎ、製品の信頼性向上に貢献します。高放熱プリント基板は、放熱対策が必要な電子機器全般で活用され、今後も高密度化・高機能化の要求に応える重要な技術になります。

複合板厚プリント基板は、端子部をPCIe規格の板厚1.57mmに保ちながら、配線部の板厚をより厚くすることができる特殊構造の基板です。これにより、既存のPCIeコネクターをそのまま使用しつつ、高多層化や高密度化が求められる回路設計にも対応可能です。PCIe規格を維持しながら、基板全体の機能拡張や端子部と配線部の一体化による信頼性向上を実現します。OKIサーキットテクノロジーの複合板厚プリント基板製造技術は、コネクター規格と高多層化の両立を可能にし、幅広い電子機器のニーズに応える先進的な基板技術です。

プリント基板は電子機器を支える重要な技術基板です。OKIサーキットテクノロジーは半導体や航空宇宙・防衛、通信機器、計測機器、社会インフラなど、高い技術力や安定した品質が求められる分野で活躍しています。今後もお客様の多様なニーズに応えながら技術革新を続け、より高性能・高品質なプリント基板の開発に積極的に取り組んでいきます。
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